働かない時代に備えるということ
どうも、しゅーぴーです。
先週、安倍政権や財界らが、月末の金曜は午後3時に仕事終了、余った時間を買い物に充て個人消費を喚起するという『プレミアムフライデー』構想を練っているという報道がありましたね。でも結局、賃金が上がらないのに早く帰って消費を喚起するというのはどうも矛盾があると感じるのですが。。景気をよくするためのプレミアムフライデーなら、もっと他の方法があるのではと考えてしまいます。
アメリカを追う日本、価値観を追うヨーロッパ
よくよく考えると、IT産業の促進に関する法案など、いろいろな方針が結局はアメリカの後追いなことばかりやっている気もするんですよね。経済ジャーナリストの森永卓郎さんは、働き方にはアメリカ型とヨーロッパ型があると言っています。
・アメリカ型=競争市場で勝ち抜くために必死で働くモーレツ型
・ヨーロッパ型=福祉社会で適度に働くゆったり型
で、今の日本はアメリカ型というわけです。
じ年間労働時間の国際比較(2004年)を見ると、アメリカは1948時間、そして日本が1996時間となっているのに対して、ドイツは1525時間、フランスは1538時間と400時間の格差がついています。アメリカと、アメリカのマネをしようとしている日本の労働時間が長く、ヨーロッパは日米と比べてかなり労働時間が短くなっているのです。
引用:森永卓郎著『年収崩壊』
年次有給休暇を何日とっているかで比較すると、アメリカ13日、日本8日、フランス25日、ドイツ31日らしいです。ヨーロッパは完全週休二日制なので、フランスで25日をとっているということは、1ヶ月のバカンスをとった上に更に有給をとっていることになります。
ヨーロッパの労働者は、残業もほとんどしません。だから平日にもプライベートの時間がたくさん取れます。
なるほど。いいですね。でも、残業をしないっていっても、一体ヨーロッパはどうやって残業をしないようにしているのでしょうか。教えてください森永さん。
なぜ働く時間が日米とヨーロッパで違うのでしょうか。私は原因が二つあると考えています。一つは、ヨーロッパには「ワークシェアリング」という考え方があるということです。ヨーロッパは失業率が高く、限られた雇用機会を労働時間の短縮によって分かち合おうと考えているのです。たとえば、2004年にオリンピックが開催されたギリシャでは、週40時間を超えて働くと、超過分の賃金はすべて税金として持っていかれるルールになっているそうです。残業代がいっさいもらえないのですから、誰も残業をしようとは思いませんよね。また、ドイツの場合は産業別の労働組合と経営側が話し合って、年間労働時間を労使合意の下で短縮しています。
なるほど、40時間を超えて働くと税金になってしまうルールがあるんですね。ドイツは組合の力が相当強いのでしょうか。もうひとつの理由は?
ヨーロッパの労働時間が短いもう一つの理由は、そもそも彼らが長時間労働を好まないからです。ヨーロッパの人たちは、「いかに人生を楽しむか」ということをふだんから真剣に考えています。その結果、彼らがたどり着いたのが、「なにもしないでボーッとしていることこそ、最大の幸福なのだ」という結論でした。パリのカフェには、カフェオレ1杯頼んだだけでなにもせずに、テラスでただ道行く人を眺めている中高年がたくさんいます。実はそうした時間の使い方こそが、最高の贅沢なのです。
だからフランスは常に芸術文化の発信地として栄えてきたのでしょうかね。マッチョな資本主義的価値観からは解放されているようですしね。でも、その分、賃金は低いというわけですね。
2005年のものですが、アメリカ型の割にGDPが働かないヨーロッパに近いというのはなんだか悲しくなりますよね。アメリカン・ドリームを夢見て朝日をみるほど働いて成功を追うのと、貧しいながらも、夕陽にうたた寝するヨーロッパのような生き方と、どちらがいいのでしょうかね。
「ギリシャは貧乏だけれど、ほとんどの人が、おいしい料理とおいしい酒と素敵な恋人を持っている。これ以上働いて、いったいほかに何が欲しいというんだい?」
そういえば、リオオリンピックのメダルの個数(20160816現在)も人口の割にヨーロッパが健闘しています。
労働にとらわれない価値観は、スポーツに生きるという健やかな土壌をも育んでいるのかもしれませんね。
まとめ
働いて高給でも、残業だらけなのはどうなのでしょう。まして働いても賃金が上がらないなら、消費する以外の価値観にも目を向ける方が幸せかも知れませんよね。
ではでは。