【エンジニア 情報収集】Google Cloud Summit’18
Google Cloud Summitを視察したので、そのメモです
全体を通した感想としては、Kubernetesが世間的に重要な技術になりつつあるなあということです。
クラウドプラットフォームはamazonとかAzureとかありますが、一体どれを利用していくのかという段階になってきているのかなとも思います。データ解析とか、AI的なものを利用するなら、なんとなくGoogleさんが得意そうとも思ってしまわなくもない感覚もなくはありません。しかしながら話を聞くと、マルチクラウドというのも一般的なようなので、どのクラウドサービスがなにが得意なのかを見極めて、目的にあった利用の仕方を探していく必要はありそうな気がしました。
マルチクラウドとは
基調講演
Googleのサービスは10億ユーザーを越えて一人前とされている
2019年半ばまでに
大阪リージョン 東京のバックアップだけでなく、大阪として拠点を構えていくつもり
・西日本エンジニアリングリード
小林氏
SEがまともになった
働き方改革は
デジタルトランスフォーメーション
カルチャートランスフォーメーション
とも言われる。
・カスタマーエンジニア
福田氏
GCP用のセキュリティオプション「Cloud Armor」を提供している
マルチクラウドをほとんどのユーザが検討している→クラウドごとに異なる操作は運用コストに。このコストを削減するのが...
→解決策 コンテナ
アプリケーションのコンテナ化
企業の75%がkubernetesについて検討
インフラの違いを抽象化できる
→オープンソースであることの意義(優位性)
サーバリソースの最適化を自動的に行う
GKEは前年比9倍の利用数
モダンアプリケーションにとって重要なもの
-運用管理が楽
-新しい要件に対してアジャイルに対応できる
最大で28兆行のクエリが投げられた
データを扱うには、、、
機械学習
モデルを作ることは容易なことではない
autoMLで楽にモデルをつくれる
・カスタマーエンジニア
菅野氏
クラウドを使う理由
→ セキュリティの高さ
安全性が高いことが認定された(他社サービスと比較して)
インフラに3兆円投資。
安全性も高そう。
・GKE(Google Kubernetes Engine)ブース
GKEとオンプレのミックス運用ソリューション
GKEとlistio(OSS)を組み合わせ、StackDriverで自動切換え監視
すべてをクラウドで運用するのではなく、普段はオンプレで運用し、サーバ負荷が高まる 場合にはクラウドに移行するなどのように柔軟システムを構築することも可能。結果的に 運用の安定性にもつながる。
先日の震災等を受けて、いままでクラウドに疑念のあったひとが、逆にオンプレでサーバを保有する事に対して疑念をもつようになったらしい。
→サーバーレス化の流れを感じているとのこと。
【セッション】
13:00
GCP ではじめる機械学習 〜少ないデータで学習いらずのMLで、ビジネスを加速しよう〜
Google Cloud カスタマーエンジニア
吉川 隼人氏
visionAPI
画像から、どのサイトでその画像が使われているのかを検索できる
autoMLならプログラミングレスで推論モデルがつくれる
本当に必要な機械学習の精度を考える
それに適したモデルが用意できさえすればよい
(100%の精度は機械学習では不可能。どの程度の精度なら目標が達成できるのかを考える)
14:00
GCPではじめるサーバレスコンピューティング
Google Cloud カスタマーエンジニア
篠原 一徳
FaaS
FunctionAsAService
モニタリング、監視
PaaSとFaaSの違い
CI/CDを容易に
continuous integration
continuous delivery
事例
本番環境をとめずにデバッグできる
15:00
専門家に頼らなくても大丈夫。誰もが使える機械学習。MAGELLAN BLOCKS
株式会社グルーヴノーツ 代表取締役社長
最首 英裕
MagellanBlocks(マゼランブロックス)
これから大阪にオフィスを設ける予定
テレビ広告枠の最適化
→マゼランブロックスで
テレビ通販のコマーシャルをどのテレビ局のどの時間帯に打てばよいのかの予測
自社で広告枠予測サービスを開発
元々IT企業でない会社が、MagellanBlocksを利用することで自立的に機械学習を利用している。
2700社がMagellanBlocksを利用
用途の特徴として、
半分以上が需要予測に利用している
各社導入事例
・ファミマ
新規出店可否判断に利用
データは店舗数の3500個で、
それなりの結果がでた。
・JCB
コールセンター入電予測
・トリトンの矛
いつどこでマグロが漁れるかを予測
・栄進館(学習塾)
入試合格判定予測。
合格得点まで予測した。
・損保ジャパン日本興亜
社内の問い合わせをAIが即時回答
・グッデイ(花屋)
仕入れる花の状態をAIで自動判定
データとラベル(結果)が与えられることが重要
機械学習は、与えた答えと紐付いたデータをいかにパターン化させるかが重要
機械学習で予測、膨大な組み合わせに関してはアニーリング型の量子コンピュータで計算
なぜ量子コンピュータを利用するのか?
例えば、組み合わせが50通りになると、実時間で解けなくなる
そのような問題には、量子コンピュータで計算。
組み合わせ最適化問題に対応。
16:00
AI・機械学習ソリューションプラットフォーム「 GennAI 」のご紹介と GCP 活用事例
クラウドエース株式会社 代表取締役CEO
吉積 礼敏
bigqueryのGISクエリコマンドを利用し、位置情報を得ている。
インフラ設計を効率化し、保守にかける時間はほぼなし。そのぶんを新機能の開発に充てている。
17:00
Google Cloud Platform で実現するデータ・ドリブンマーケティング
Google Cloud カスタマーエンジニア
葛木 美紀
カスタマージャーニーが多様化
カスタマージャーニーとは
ペルソナの動き(行動・思考・感情)を時系列で見える化したもの
チャネルシフトが必要な時代に
ユーザーに適したコミュニケーションの
世の中で活用されているデータは0.5%以下
→データ分析は難しい
データがさまざまな部門、サービスに分断されている。
↓
一カ所にまとめてしまう
サイロ化したデータの統合
BigQuery
管理者の設定等は不要
コンバージョン(商品の購入、成約)が高いのは...
- 有料の広告経路で来た
- 滞在時間が長い
datastudio でデータの可視化
カスタマージャーニーの可視化
【感想】
GCPのサービスの中でも、GKE(Google Kubernetes Engine)の利用数が前年比9倍とのことで、サーバーレスのコンテナ仮想化技術に対する注目度は世間的に高まっているものだと感じました。GKEのブースの担当者にもお話をうかがったところ、先日の台風や地震などを受けて、いままでクラウドに対して懐疑的だったひとが、逆に自社でオンプレミスでサーバを保有することに対する考えを改めようとしているとのことです。ブースではオンプレとクラウドの並行運用ソリューションを提案されていましたが、今後はそういうシステム構成も積極的に考えられてゆくのかもしれないと思いました。GCPというサービスの安定性、信頼性に関しては、他社サービスと比較して安全性が認定され、クラウドの根幹であるデータセンターのインフラには3兆円の投資がなされたということで、客観的指標として盤石な要素をもったサービスであるようにも見受けられました。
機械学習に関しては、GCPのAPIを利用して簡単に推論モデルを構築したり、autoMLの利用など、コードを書く労力を省力化する方法の提案が多くなされていました。クラウドサービスの利用により、ビッグデータ解析にかかわる全般の方法論は「誰にでもできるもの」へと徐々に移行していくような雰囲気も感じました。
そんな中、福岡のベンチャー企業の株式会社グルーヴノーツさんのセッションで紹介されていたMagellanBlocksという機械学習サービスはなかなか興味深かったです。基本的にはcsvデータ等があればあとは指定の操作にしたがってデータを保存していけば、学習が行われ、欲しい推論データがえられるということで、ユーザは一切コードを書かず、保有する膨大なデータ資産から機械学習による推論結果が得られるということです。
さらに計算処理は、まさに現在進行形の最新技術である量子コンピュータを採用されているとのことで、データが膨大になった場合までを視野にいれてサービスを展開しようとしているところは見事だと思いました。メルカリさんも基礎研究段階にあるような技術ですが、そういった新しい技術への感度をしっかりもった企業なのだと思いました。
他に参加したカンファレンスはこちらにまとめていますので、よかったらどうぞ!