たのしい工学

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羽生善治さんの不調学

   

どうも、しゅーぴーです。

できることならいつだって調子よく何事こなしたいものですよね。でも、それは実際なかなかむずかしいことだったりします。たとえば調子がわるくて困るときってどんなときでしょう。大切な試合のとき、テストのとき、しごとのとき、、、ひとそれぞれさまざまあるでしょう。ざっくり言うと、ここぞの勝負のときに調子がわるいことが一番困ることではないでしょうか。

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そこで今日は厳しい勝負の世界に生きる人、将棋棋士の羽生善治さんはどう考えるかを紹介します。当時、羽生さんは七大タイトル(棋王、棋聖、王座、王位、王将、竜王、名人)のうちの名人位という、七大タイトルの中でも歴史と伝統を誇る最高峰のタイトルを失う窮地に立っていました。七戦して先に四勝したほうが勝ちのルールで、その時すでに三連敗。あと一敗すれば名人位を失うカド番でした。この状況で羽生さんは記者にこう語りました。

ー名人戦で三連敗。どう心の整理を?

そうですね・・・まあでも、カド番はよくあることなんです(笑)。追い詰められた状況では、やっぱり、120%の力を出したいと思うわけじゃないですか。うん・・・でも、基本的に、それは無理なんですよね。

ー無理・・・?

ええ。そういう時は、普通にやることすら難しいわけですよ。自分が出せるものは決まっているから、今まで通り、対局に全力を尽くすしかない。でも、ずっと同じ集中力、高いテンションを保つのは難しいんです。一年の中でも、一日の中でも、波がある。気分の浮き沈みは人為的に変えられるものじゃないので、それに合わせてやっていくしかない。 モチベーションって、天気と同じだと思うんですよ。晴れてコンディションの高い日もあれば、雨で鬱陶しくてやる気が起きない日もあって、それをコントロールするのは無理じゃないですか。アスリートの人も、ラテン系の国の人はいつもテンション高いでしょ(笑)。梅雨があったり、雪が降ったり、そういう気候の中で暮らしていると気分の変化は起こりやすいと思うんですよね

ーそうですね・・・ん?ということは、心はコントロールできない、と?

〜中略〜

諦めることも大事だと思ってるんです。つまり、沢山こなしていく場合には、調子の悪い日も、当然、あるんだと思っていたほうがいいような気がしています。完璧さを求めちゃうと、却って立ち直りが難しい。高いテンションを保とうとすればするほど、逆に下がっちゃう。一番は、無理をしない。無理をすると必ず後で反動が来るので、自然に出来ることをする。

羽生善治 著 「闘う頭脳」ISBN 978-4-16-790583-5 p274~276

論理的な羽生さんが、論理的ではない心のことを冷静に語るのには、非常に説得力がありますよね。無理なものは無理だと割り切ることが大切だと説いています。やはり往生際を正すといいますか、そういうことは大切なのでしょう。不調を嘆くよりも、不調をものともしないメンタリティを持つことが大切だということです。これは物事を長く続けてゆく上でも必要なことですよね。萎えて立ち止まることと、受け流すことは、似て非なるものです。

というわけで、昨日継続することについてかきましたが、長くつづける秘訣として不調を受け流す精神性、というのも非常に大切なものだと思います。不調を真に受けない精神を即座に獲得することは難しいかも知れませんが、不調を真に受けない精神を装うことはすぐにできるはずです。まずは気にしないふりから始めて、いつの間にか手に入れられればよいでしょう。

ではでは。

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