たのしい工学

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仕事とじぶんの車幅感覚

   

どうも、しゅーぴー(@syuupii1)です。

今日はしごとのことを書こうとおもいます。

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今から2、3年前くらいになるでしょうか「はたらきたい。」という本を読んだのですが、とてもおもしろかったんです。この本は、糸井重里さんが主宰するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」(ほぼ日)に2007年4月から3ヶ月間掲載された「ほぼ日の就職論」という特集企画がおおもとになっているようです。内容的には9年前のものになるわけですが、本の帯で糸井さんが「5年や10年で変わらないような仕事の本がつくりたかったのですが・・・」と言っているように、今読んでも古くない、むしろ、今の時代の雰囲気にうまくマッチしているのではと思ってしまうほどに、はたらくことについての本質に迫る本だなと今読んでも思います。

 

対談などを集めたもので、読みやすいです。個人的にとくに気になったのは、会社に属さずに生きている人達、第3章のTHE GREAT FREEのみなさんの考えかたです。ここでは、ピエール瀧さん(電気グルーヴのメンバー。ミュージシャン)、天久聖一(あまひさまさかず)さん(漫画家)、浜野謙太(はまのけんた)さん、(SAKEROCKのメンバー。ミュージシャン。)板尾創路(いたおいつじ)さん(芸人)、の四人がしごとについて語っています。

この四人の肩書についてどのような印象をもたれるでしょうか。私はクリエイティブな仕事で、やりたいことをやれているうらやましい方々だなあとおもいました。しかし、四人の話を聞いていると、本人達の認識はわたしの想像とはやや違うようなのです。板尾さんはとくにやりたいこともなく、今の感じを目指していたわけでもないらしいです。高校の出席日数が卒業要件に対してギリギリだったようで、食品会社に就職内定をもらい、学校側の温情を誘って高校卒業をしたという発想は、普通の人とは真逆ですよね。

ピエール瀧さんも同じように、とくになりたいという思いはなかったらしいです。インディーズバンドブームに乗って、電気グルーヴをはじめて、スカウトを受け、「お金もくれるわけだし、じゃあやっとく?」っていう感じだったみたいですね。天久さんは就職歴があり、今のしごとの前には拘置所の看守をやっていたようです。そして、拘置所で見張りをしながらコツコツ書いた漫画を東京の出版社を何軒か回ってデビューが決まったとのことです。このケースはわたしの想像に近いです。

インタビュアーからのお金に不安があるかという質問に対して板尾さんは、大丈夫でしょう、と答えていますが、こうも語っています。

そういう気が、安定していないからこそ、するんだと思います。僕は今年四十四歳ですけど、残りの人生、そんなにお金がなくてもいいです。

板尾さんって、けっして売れていない方ではないと思います。このように発言されることには、個人事業主として生きる人の考え方の一つの正解なのではとも感じました。

会社員は安泰だと思っているひとが世の中の大半だとおもいます。では、彼らは不安ではないのかという疑問ですが、ピエールさんがそれに答えてくれているとおもいました。

僕たちは、ちゃんと車幅感覚はあって、自分を完全に乗りこなしているかとうと、そうじゃない。自分でも捉えきれないところがあります。だから続けてるんだと思います。自分の、半分遊びのようなところを発掘し続けてるんじゃないでしょうか。

非常に象徴的な言葉ではないでしょうか。わたしはこの言葉から自分に立ち返ってみると、じぶんは変にまじめすぎるところがあって、こういうものであると決めつけたがるような部分があるとおもいました。つまり、車幅をはっきりと捉えないと不安になってしまう。肩書きやら、年収やらでよくもわるくもじぶんの立ち位置をはっきりさせなくては気が済まない。たしかに、肩書きのせいで、天久さんなんかは5回もクレジットカード審査に落ちたりしていると言ってます。浜野さんは不動産審査は大変だと言っています。でも、それが、生きる不安とはかならずしもイコールではないわけですよね。結局、それをパスするために努力が必要になるだけです。カードと不動産の審査に通るために人は生きているわけではないわけです。

 

「やりたいこと」と「やってみたいこと」は、意味が違う

というピエールさんは言っています。仕事にしてみたいのか、ただの趣味としてたのしみたいのかの差ということですが、その見極めはたしかに必要ですよね。板尾さんは

やりたいことがなかったから現在のしごとに就けた、というようなところがあります。やりたいことあったら、就職しないでそのことをやってるでしょう。

とも言っています。浜野さんは

やりたいことは何だろうって考えちゃうと、いい思いをしたいことだけなんです。

と。

わたしもそうだと思います。結局はじぶんの気持ちの良いとおもうことをするために生きているのだと。それが高尚なことかどうかを考えだすから、きっと辛くなるのでしょう。

と、書いていくとキリがないです。何度も読み直せる本だと思います。

ではでは。

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