たのしい工学

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人工知能の創造性vs人間

   

どうも、しゅーぴー(@syuupii1)です。

15日(日)のNHKスペシャルを見たのですが、昨今の人工知能の驚異的な成長ぶりのようなものを、しかとみせられた心地がしました。

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昨日の放送にもありましたが、人間の能力で言う所の創造性に類するものについても、人工知能の触手が及び始めているという点ですが、ここが個人的には非常に気になっています。というのは、人間とAIが最後まで競い合うとすればこの点ではないかなと感じるからです。

ネットの記事「AI時代到来「それでも仕事は大丈夫」...んなわけねーだろ」にはこんな記述がありました。

「人間にはロボットに代替できない能力がある」という主張がある。クリエイティビティ、マネジメント能力、ホスピタリティ(思いやり)というような能力だ。

「こうした能力はAIで代替できない」と考える人たちは、AI時代にはこれらの能力を磨くべきだと主張する。

と、この主張には私も同意見です。しかし、こう続きます。

ただYouTubeで「AI composed music」というキーワードで検索してみてほしい。AIが作曲した実にたくさんの曲がアップされている。これらの曲を聞いて、AIが作曲したことが分かる人はほとんどいないだろう。AIも、十分にクリエイティブな作品を生み出している。

またマネジメント能力も、例えば工場長としてのマネジメント能力になれば今後は、AIのほうが人間を上回ると見られている。今後、工場内のほとんどすべての工程が全自動化され、あらゆるところにセンサーが設置されて、そのセンサーから集められるデータをベースに、生産計画が立てられるようになる。どういう風に機械を管理し、どういうような工程を組めば、生産量を最大にするのか。膨大なデータを踏まえての判断は、人間よりもAIのほうが得意になるだろう。

ホスピタリティ能力も、AIやロボットのほうが人間より高くなるだろう。顧客一人ひとりの要望をより正確に把握し、どんな無理難題にも嫌な顔一つせず、夜中まで働き続ける。きつい職場であればあるほど、ロボットは見事なホスピタリティを発揮してくれることだろう。

というように、クリエイティビティも、マネジメント能力も、ホスピタリティさえも、AIが凌駕するだろうシナリオが現実に有り得ると考えられているようです。それならば、近い将来、人間の仕事というものはAIよりも劣るものとなってしまうのでしょうか。個人的には、おそらく程度の問題に収束してゆくものではと思ったりします。

マネジメント能力については、上の引用部の見解では、工場長としてのマネジメント能力について言及されていますが、例えば社長がAIとはなり得るのでしょうか。(AIが一体どんな指向性を持つかが重要だと思っていて、) たしかに、膨大なデータから利益の最大化を導いたりする事はできるのかも知れません。人事的判断はどうでしょう。これには部下の人間性などが大きく関わる事と思いますが、AIが判断する為にはまず社員の人間性がデータ化されるのでしょうかね。

ホスピタリティはどうでしょうか。無理難題にも嫌な顔一つせず、夜中まで働ける。対面する人間の感情に寄り添うことが要求されることだと思いますが、そうなるとAIには表情が要求されると思います。嫌な顔一つもしないなら、ずっと笑顔の表情が搭載されたAIを準備すればよいのか...想像すると少し気色悪い気も...。AIの最終目的が感情を持つこととすれば、表情の作り方は大変高度な事だと思います。AIの持つ表情の意味を考えだすと、到底ここには書ききれないような気がするので、ここでやめておきますが、不自然なもの、違和感を与えては、ホスピタリティの目的に矛盾すると思うのです。

クリエイティビティについては、徐々にAIが頭角を現しているようで、最近では文学賞の一次審査を通過したものがあったり、作曲したり、絵を書いたりと、人間の行う創作活動に確実に参与を果たしつつあるようです。しかしながら、創作が本当に人間と同等の質を持ちうるとすれば、まだまだ先な気がします。というのも、AIがすぐにできるようになるものは、方法論が確立されたものです。なので、本来、情念や思想が大きく影響する創作の領域というと、AIは自律した感情をもつ必要があるからです。方法論に則ったラブソングや脚本にずっと満足する程、人間の感性は貧しくはないはずです。クリエイティビティの肝は魂だと思います。

こう考えると、人間がすべきことは感性を、魂を磨き続ける事ではないでしょうか。AIとの恋愛が普通になる時代が到来するとしたらどうでしょう。恋敵がAIだとして、富や地位や名誉や容姿も、AIには敵わないとしたら、結局は相手への気持ちの強さで争う事になりそうな気がします。そこで差を生むものは、感性とか魂とかかも知れませんよね。

ではでは。

 

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